杉山谷不動尊(ひきめの滝)
京都府八幡市八幡高坊(神應寺奥之院)
八幡宮頓宮西側の谷道を登り詰めたところにある。谷不動ともいわれ、「厄除け不動」として人々に信仰されている。平安時代の初期、危害を加える悪鬼が出没し、人々を悩ませていた。たまたま、諸国を行脚中の弘法大師(空海)がこの話を聞き、法力によって悪鬼を封じた。そして、一刀三礼により不動明王を刻んで安置し、諸人を護ったという。また、一説には八幡神を男山に勧請した行教律師が男山の鎮守として建立したともいわれている。その本堂には、悪魔降伏のために憤怒の形相をした不動明王(杉山谷不動の秘仏となっている)が座し、両脇には善悪を掌るコンガラ、制咤迦(せいたか)の2童子が控えている。不動堂の横を流れる谷川には、霊泉瀧(ひきめの瀧ともいう)があり、静寂のなかに清らかな水音を聞くことができる。