不老橋
和歌山県和歌山市和歌浦中3丁目1679-24地先
不老橋は、東照宮御旅所の移築に際して、紀州徳川家第十代藩主であった徳川治寶(はるとみ)の命により嘉永3(1850)年に着工し、翌4(1851)年に完成したアーチ型の石橋である。この橋は、徳川家康を祀る東照宮の和歌祭の際に藩主や徳川家の人々及び東照宮関係者が、片男波松原にあった御旅所に向かうため通行する「お成り道」に架けられた橋であった。アーチ型石橋は畿内周辺では極めて少なくアーチ部分については肥後熊本の石工集団の施工であり、勾欄部分については湯浅の石工石屋忠兵衛の施工と推定されている。勾欄部分には雲を文様化したレリーフがみられ装飾的に優れたものとなっている。石材としては,和泉砂岩を使用し,敷石及びアーチ部分の内輪石には規格化された直方体状の石材が使用されている。