全日本の観光地へ
昔から厳島神社の砂を旅のお守りにいただき、帰郷後に旅先の砂と一緒にお返しするという慣わしがあった。文政の世、その砂を混ぜて焼き上げるお砂焼が始まり、現在は宮島焼としても広く知られている。厳栄堂は神社の御用窯だが、値段は手頃で種類も豊富。本物であるからこそ、普段使いで、良さを実感したい。
9ヘクタールもの梨・りんご園と500万本のコスモス、ポピーが美しい、大型観光農園。真夏の8月に梨狩りができ、県内で一番早く秋の味覚が味わえる。りんごは減農薬、無袋で栽培。9月初旬から11月まで、常に旬のものが食べられるよう、22種の品種を揃えている。ファミリーで楽しむには絶好のポイントだ。
国際的に活躍する画家、園山春二氏が全国で収集した招き猫を展示した美術館。大正時代の民家を改装した館内は、園山氏直筆の招き猫をはじめ、年代物や一品物など、大小取り交ぜて3000体以上の招き猫で埋めつくされている。小梅ちゃんという看板娘ならぬ美人看板ネコがいるのも、この美術館にふさわしい。
大竹は県下で唯一残っている手漉き和紙の産地。この文化を広く伝え残してゆくために、駅前商店街が中心となってオープンした工房。手漉き和紙体験や和紙原料の楮(こうぞ)の木がらを使った工作教室など、気軽に和紙と親しむことのできる機会を数多く設けている。和紙を使った手書き鯉のぼりはお土産に最適。
国定公園帝釈峡は、カルスト台地が帝釈川によって浸食、形成された壮大な峡谷だ。国の天然記念物である、日本一の天然橋・雄橋をはじめ、絶景ぞろいで見所が多い。帝釈峡ダムの完成により出来た人造湖の神龍湖で遊覧船に乗ってみるのも楽しい。ハイキングコースとしても根強い人気を持つ観光スポットである。
三次は広島県内の古墳の3分の1が集中していることで知られる街。この古墳の里を代表する史跡浄楽寺・七ツ塚古墳群を中心に、約30ヘクタールの地域を保存しているのが、みよし風土記の丘だ。広大な敷地内に復原古代住宅のほか、県内から出土した資料を展示した県立歴史民俗資料館も一般公開している。
「しまなみ海道」とは、尾道市と四国今治市を結ぶ西瀬戸自動車道のこと。瀬戸内の島々に10本の橋が架けられている。斜張橋として世界最長の多々羅大橋、世界初の三連つり橋の来島海峡大橋などがある。周辺の観光についての問い合せは、「しまなみ交流館テアトロシェルネ」(0848・20・0005)へ。
練り製品・珍味を製造販売している阿藻珍味本社では、工場の一部を一般開放するとともに、実際に珍味づくりが体験できるコーナーを設けている。体験できるのは、手にぎり鯛ちくわ、いか焼の2種類。新鮮な材料を使って、自分で焼いた出来たては、いつもの何倍もおいしく感じられるはず。
古い土蔵を改装した竹原まちなみ竹工房では、竹工芸の制作、販売が行われているほか、実際に竹細工づくりを体験することができる。45分から1時間程度で、自分だけの手作りお土産が完成だ。不思議なもので、同じ材料でつくっても、その人の個性がにじみでて、決して同じものにはならないところがおもしろい。
江戸時代、塩田で栄えた竹原は、豪商の屋敷や商家が立ち並び、頼山陽など多くの学者も輩出する文化の香り高い町である。当時の面影をとどめる家並みが、保存地区に今も残されており、自由に散策することができる。竹原の町家の特徴である格子にはさまざまなデザインがあり、ひとつひとつ見て廻るのも楽しい。