勅使塚
静岡県袋井市豊沢2410-31
この塚には悲しい伝説が伝わっています。平安の昔、十五夜の法多山の祭礼に京都から勅使が参拝していました。ある年、定められた日の夜明け前に参拝する命を受けた勅使は、月明かりの中を寺へといそいでいました。ところが農家のにわとりが月明かりを朝日とまちがえて一声鳴いたため、勅使は参拝の願いがかなわなかったと誤解し、来た道を引き返して、途中の茶屋の一室にこもり切腹してしまいました。あわれんだ村人は、茶屋のそばに勅使を葬り塚をつくって菩提を弔ったと伝えられています。以来、法多の村ではにわとりはかわなくなったとも伝えられています。