掬月亭
香川県高松市栗林町栗林公園内
「水掬すれば月手あり」という、唐の詩人・干良史の一句から名付けられた掬月亭は、今から250年以上前、初代讃岐藩主・松平頼重の代に建てられたとされている。当時はその建物の形が北斗七星に似ていたため、「星斗館」とも呼ばれていた。旧藩主が使用した茶室で、もともとは大茶屋といい、南湖のほとり、湖の西の汀に浮かぶように建っている。また建物の景観もさることながら、亭内から眺める公園の趣きも楽しめる。拝観とともに抹茶の接待も行われている。渡り廊下から南湖を望めば、池を泳ぐ鯉や浮かぶ島、対岸の木々に、純日本庭園の落ち着いた風情が漂う。亭内は120畳の広さがあり、それぞれに名付けられた各部屋にも、古えの昔が偲ばれる。