正倉院正倉
奈良県奈良市雑司町
正倉院とは本来,院の主要な倉庫のある一部を示す名称であったが,現在では,東大寺境内のものだけを指すようになっている。校倉造りの内部は3倉に分かれ,聖武天皇の遺品をはじめとする多くの御物が収蔵されているが,なかには遣唐使や留学生が持ち帰った唐やインド,ペルシャなどの工芸品も含まれているため,「シルクロードの終着地」ともいわれる。御物は現在,敷地内に建設された鉄筋コンクリート造りの新宝庫2棟に移されて収蔵されているが,毎年10月下旬から11月にかけて曝涼と呼ばれる虫干が行なわれ,この時に御物の一部が奈良国立博物館で「正倉院展」として公開される。