有田川鵜飼
営業:6月1日〜9月初旬
有田川の鵜飼は一人の鵜匠が一羽の鵜を使い川の中に入って行う「かちつかい」と呼ぶ原始的なもので、全国に数ある鵜飼の中でも大変珍しい貴重な漁法です。鵜匠は片手で鵜の手綱をさばき、もう片方の手で松明をかざして河の流れをさかのぼり、鵜に鮎を捕らえさせます。見物客は屋形船の中からそれを眺め、涼を呼ぶ夏の夜の風物詩で、毎年6月1日から9月上旬までの間、雨などで川水の濁った時を除き、日没から深夜まで行われます。この漁法は昔、石垣城主・石垣左京太夫教重が応永年間(1394〜1427)に、木曽川上流の犬山から鵜匠を呼んで、地元の人に教えたのが始まりといわれています。鵜匠も世襲で用具も昔ながらの物を使っていて、松明は赤松の根を掘って作り、手綱はタナオとよばれて、長さ3mあまりで、鵜は日高郡南部町の鹿島や岩代、切目崎、比井崎の海岸で捕らえ、訓練したものです。民俗資料として和歌山県の無形文化財に指定されています。