昇竜洞(鍾乳洞)
鹿児島県の天然記念物に指定されている昇竜洞は、昭和38年に発見され3,500mのうち600mが一般公開されています。全体として鍾乳石の発達が素晴らしく、特にフローストーンの規模は全国でも最大級のものです。フローストーンとは、クリームをとろりと流したような形状で流華石とも呼ばれ、洞窟の壁や斜面をおおっている鍾乳石です。近づいて見るとその中に小さな鍾乳石などを取り込んで発達している様子が見られることもあります。また、「クリスマスツリー」「金銀の瀧」「ダイヤの御殿」「銀のすだれ」「横綱の化粧まわし」など色々な名称がつけられており、叩くと長さ・厚さ・幅などの違いで各諧調の音叉のような澄んだ音を出す「音楽堂」なども大変珍しい鍾乳石です。洞窟の中には光を当てるときらきら光り、大変美しい場所がいくつもあります。これは細かい方解石(ほうかいせき)の結晶が光るためです。方解石とは石灰岩の主成分で、鉱石として扱われる場合は「石灰石」石材として扱われる場合は「大理石」と呼ばれるものです。また洞入口には様々な亜熱帯植物や蝶が訪れる人の目を楽しませてくれます。出口公園には休憩所も兼ねた展望所もあり、太平洋を一望することができます。全長2.7kmのうち600mの区間を見学可能で、所要時間は約40分間。