三渡八幡宮
島根県鹿足郡津和野町池村
三渡八幡宮は町内でもっとも大きな由緒のあるお宮で、江戸時代にはここの宮司は当7社の大宮司として、野の下領にある7つの八幡宮、すなわち三渡、青原、程彼、須川、左鐙、木ノロ、小直の八幡宮を統括していた。この本殿は寛保3年(1743年)の造営で、日原町にも神社はたくさんあるうち、これほど古くたくさんの彫刻を使ったお宮は他に見られない。長い年月を経て一部欠落したところもあり、塗料の落剥が激しいが、うっそうとした杜木の中に、朱に藍に目もさめるように彩られた社殿が新築されたときの豪華な姿は充分に想像することかできる。最近同じような彫刻が内陣にもほどこされていることかわかったが、内陣にこのような彫刻があるのは珍しいこととされている。文化財専門委員を招いた調査により「江戸中期の様式をよく現出した建造物で、彫刻を充分に駆使した、豪華かつ地方的に優秀な好資料」として平成7年11月、県文化財の指定を受けた。