全日本の観光地へ
片野鴨池は、湿地を保護するラムサール条約にも登録されており、ガンやカモ類など数多くの渡り鳥の越冬地として有名である。野鳥たちの生態を間近で見ることのできる観察館では、レンジャー(指導員)による解説のほか、展示や図書、映画、スライドなどによって野鳥の生態を詳しく知ることができる。
明治末期に建築された無限庵は、こおろぎ橋を渡り坂道を少し上った先にひっそりとたたずんでいる。加賀藩前田家の家老だった横山男爵が、金沢市にあった書院を移築した書院式武家屋敷で、当時の木造建築の最高傑作とも言われている。館内の古美術品も素晴らしく、尾形光琳や千利休の逸品も見逃せない。
鎌倉時代から続く奥能登の旧家・南家が代々400年にわたって収集した美術品を展示する南惣美術館。この周辺はかつて天領地で南家は庄屋として林業や製塩業、北前船での交易までを広く手がけていた。そのため所蔵品は初代柿右衛門、雪舟、応挙、仁清など美術史に名を残す作家のものが展示されている。
室町時代から続く能登中居の歴史ある古刹群を巡る中居歴史の里さとりの道。中居は近世まで鋳物の生産地として栄えた地で、当時の隆盛を物語るかのように数多くの神社仏閣が残っている。さとりの道は、境内に樹齢750年の羅漢樹が茂る地福院から大瀧寺までの約1・2kmの散策路で、コース1周は約40分。
約10万坪の柳田村植物公園内にある、柳田星の観察館・満天星。天体ドームには口径60cm、集光力が人間の7300倍という大望遠鏡があり、昼間でも見える星がある。また、100人収容のプラネタリウムや宿泊棟のアストロコテージ6棟が併設されており、そのうち3棟には天体ドームが設置されている。
石川県と富山県にまたがる碁石ヶ峰は、頂上から、能登半島だけでなく、立山連峰や白山まで見渡すことができるところ。また山麓にある原山大池には、ボートや魚つりの楽しめる施設、マレットゴルフ場があり、キャンプもできる。車で手軽に行ける隠れたスポットで、昭和45年には県立自然公園に指定されている。
藩政時代、加賀百万石の農村を束ね、藩主を支えたのが「十村役」。その中でも喜多家は格式高く、能登・加賀あわせて200ケ村余りを治めた名家である。1万3000坪の屋敷を往時そのままにとどめており、一般公開し説明案内してくれる。また、美術館も併設しており、すべてが重要文化財に指定されている。
県内最大規模の前方後円墳をはじめ、36基の古墳からなる雨の宮古墳群。4世紀中ごろから5世紀にかけて能登一帯を支配していた豪族のものであるといわれている。公園には古墳から出土した銅鏡や刀剣を展示する雨の宮能登王墓の館もある。県内最大規模の能登の歴史を自分の目で確かめることができる。
今も日本人の心をつかんで離さない輪島塗は、複雑で細かい作業を手間をかけ作っていくなかから生まれる。稲忠では、輪島塗の丁寧で熟練した職人の技を間近に見学できる。お店の人は作業工程の説明にも気軽に応じてくれる。店内は美術工芸品から普段使いの漆器まで、製造元ならではの多彩な品揃えが特色だ。
繊細な筆致と優美な色使いで世界的にも評価の高い、加賀友禅の拠点。加賀友禅伝統産業会館では、手描き友禅の実演コーナーや作品の展示、製作工程の説明ビデオなどを通じて、加賀友禅の魅力を伝える。ほかに華やかな友禅着物を着られる着用コーナーやハンカチに彩色する手作り体験コーナーもあり楽しめる。