航海安全の神で知られる大阪最大の名社・住吉大社を象徴する建造物のひとつである、反橋(そりばし)。太鼓橋(たいこばし)とも呼ばれ、高さ4.4m/最急勾配48度、朱色の優美なシルエットが美しい。かつては、この橋付近まで波が打ち寄せられていたそうだ。豊臣秀頼が造営したものと伝えられているが、一説には、本社の修築を秀頼が行い、反橋は秀吉の側室・淀殿の寄進によるものだという。桁や床板は木製であるため、度々架け換えなければならず、古くは船大工の人々の奉仕で維持されてきた。現在の反橋は、昭和56年(1981)に完成したものだが、石造の橋柱や梁などは豊臣時代のままといわれている。この橋を渡るのは、神さまに近づくにあたって罪や穢(けがれ)を祓い清めるためで、橋が反っているのは、地上の人の国と天上の神の国とをつなぐ架け橋として、虹にたとえられていたためとか。この橋の上から眺める本宮方面の景色がすばらしい。また、仲秋の満月の夜に行われる「観月祭」では、この橋の上で和歌と俳句が詠まれる。
大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89
(1)南海本線「住吉大社駅」から東へ徒歩3分南海高野線「住吉東駅」から西へ徒歩5分阪堺線「住吉鳥居前駅」から徒歩すぐ阪堺線「住吉公園駅」から徒歩2分
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