本陣とは江戸時代の参勤交代の際、藩主の休憩所として使用された場所のこと。田中本陣は旧紀州街道沿いに建つ田中覚右衛門の屋敷で、広さは一町(約110m)四方、間取りは主屋が東向き正面、南脇に長屋門を置き、土蔵・納屋等を配した造りになっている。何度か改造されているものの、江戸時代前期の豪農の住居形式をよく残した建物だ。庭は、大和小泉藩家老職で石州流の茶人の藤林宗源の作。宗源より贈られた片桐且元遺愛の石灯籠も残る。ただし、建物内部は現在も所有者が住居しているため非公開。田中家は元亀年間(1570〜73)、田中遠江守重景が助松村に移住したのが始まりという。屋敷から南へ約200mの場所にある「牛滝塚」には信長が大坂石山本願寺を攻めた時に戦没した田中遠江守重景が葬られている。
大阪府泉大津市助松町2
(1)南海本線「北助松駅」より徒歩10分
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