平安初期の法令集「延喜式」に記述が見える、由緒ある古社の桜井神社。現在の泉北ニュータウンがある近辺はかつて日本最大の須恵器(すえき)産地であり、その技術を伝えた百済系の渡来人・桜井宿禰(すくね)が祖先を祀ったのが起源といわれている。推古5年(597)、八幡宮を合祀し上神谷(にわだに)八幡宮とも言われるようになって隆盛を極めたが、1577年の織田信長による兵火にあい、拝殿と本殿を除いて神社全体が消失。拝殿は中央に「馬道」という土間の通り抜け部分を持つ割拝殿(わりはいでん)形式で、鎌倉時代初期の建築の特色をよく表している(国宝)。毎年10月の第1日曜日の秋まつりには、「上神谷(にわだに)のこおどり」と呼ばれる神事舞踊が奉納される。こちらも国の無形文化財に指定されているもの。
大阪府堺市南区片蔵645
(1)泉北高速鉄道「泉ケ丘駅」下車南海バス23系統「畑」行き「桜井神社前」下車すぐ
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