大阪を南北に結ぶメインストリート・御堂筋に面して建つ三津寺(みってら)。天平16年(744)聖武天皇の勅願によって、行基が開創した難波の名刹。当初の本尊は、行基が自らこのあたりにあった楠の大樹から刻んだ観音像だったと伝えられるが、現在の本尊は昭和8年(1933)の御堂筋拡幅の際に切り倒された楠の大樹で彫られた十一面観音像(秘仏)。第2次世界大戦での大阪空爆の際にも焼失を免れて現存する本堂は、文化5年(1808)に建立されたもので、内陣、位牌堂は総漆塗りで柱や扉は金箔張り、格天井にはすべて異なる花柄の絵が描かれている。明治12年(1879)にはこの本堂で第1回大阪府議会が開かれたという歴史をもつ。御堂筋に面して建つのは、御堂筋拡幅の時に建て替えられた寺院庫裏で、当時としては珍しい地上3階、地下1階の鉄筋コンクリート造だが、外観は寺院庫裏としての伝統を保っている。
大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-7-12
(1)御堂筋線「心斎橋駅」下車、御堂筋を南へ三津寺筋角
敷地面積:1000平方m
延床面積:660平方m
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