1999年10月の大坂ミナミの道頓堀・中座閉館に伴い、芸能の神として奈落(舞台下)に祀られていた八兵衛大明神が、生國魂神社境内社のひとつである源九郎稲荷神社に合祀されている。「八兵衛大明神」には、淡路出身の芝居好きの狸「芝右衛門」の話が語り継がれている。江戸時代に、芸能の本場、浪速の中座でおもしろい芝居がかかっていると聞き、芝右衛門は大坂まで出かけ、「三隅八兵衛」という侍に化けて中座の芝居に通っていた。とうとう千秋楽の芝居を観終わった後、油断したのか番犬に正体を見破られ殺された。しかしそれ以降、中座の客入りが悪くなったため、関係者は芝居小屋の奈落に芝右衛門狸を祀ったところ、またかつてのように繁盛した。以来、中座では芝右衛門狸が「人気の神様」として役者たちから厚い信仰を受けるようになったという。一方、源九郎稲荷神社は吉野の源九郎稲荷の分祠で祭神は白狐の姿をする。吉野へ落ちる源九郎半官義経の急場を救ったため、この名がついたという言い伝えが残っている。商売繁昌・五穀豊穣・歯痛封じのお稲荷さんとして崇敬されている。
大阪府大阪市天王寺区生玉町13-9生国魂神社境内
ご利益:五穀豊穣・商売繁盛・芸道の神
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