伝法山西念寺は孝徳天皇の大化元年(645)、インドの法道仙人が日本に仏法を広めようと渡来して建立した、仏法伝導道場であるとされる。淀川の河口、此花区伝法は、飛鳥時代の欽明天皇13年(552)、百済の聖明王が使者を派遣して金銅釈迦像や経論を日本に献上、日本に初めて仏法が伝来したことに由来する地名だという。中世には摂津伝法の船寺として信仰を集め、広大な寺領をもち、摂・河・泉三国の四大本山のひとつとして栄え、日本三大船まつりのひとつといわれる「流潅頂(ながれかんじょう)」(8月23日)と、「お十夜とのっぺ焚き」(11月14日)の伝統行事を、いまに残している。とくに「流潅頂」は、本座船と屋形船など数百隻の船が伝法川から淀川を下り、大阪湾に出て卒塔婆を流し、供養・祈願をした盛大な祭りだ。また、本堂には本尊・阿弥陀如来像のほか千手観音、法道仙人が中国から携えてきたと伝えられる秘仏・十一面観音像、身づくり観音像(十一面観音像)の三大観音像が安置され、観音信仰の寺としても知られている。
大阪府大阪市此花区伝法5-7
(1)阪神西大阪線「伝法駅」、JR「西九条駅」より市バスに乗り換え「酉島2丁目」下車
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