建築2年間の工事期間をおき、明治40年(1907)7月20日に完成した校舎です。工事費は17,984円56銭で、当時の町予算(経常経費)の2.93倍もの巨額な費用を投じています。設計は県の江川三郎八工手、建築材は真庭市木山国有林の優れた檜、杉材を選定し使用しています。文化財全国版の建築専門誌に「迎賓館を思わせる豪奢な洋風建築」「木造ルネッサンス風小学校」と紹介されたとおり、ルネッサンス様式による明治の擬洋風建築と呼ぶことができます。その全国的にも貴重な佇まいから、映画のロケ地としても利用され、長島茂雄の夢の学校CM、伊丹十三監督作品の映画、大病人の一場面などに登場し注目をあびました。校名は、校名中国の古典、詩経の一説で「出自幽谷※遷于喬木」から明親館のつながりを持つ山田方谷が名付けました。ゆうこくよりいでてきょうぼくにのぼる(※うつるともよむ)。2文字をとって遷喬(せんきょう)とした。伐木(ばつぼく)という題の詩、全18行の2行目にある一節で、自然の情景を詩った場面ですが、ウグイスが深山の暗い谷間から飛び立ち、高い木に移ることに例えて、学問に励み立身出世することと解釈されています。
岡山県真庭市鍋屋17-1
(1)久世ICから車で
(2)久世駅から徒歩で
建築年代1:明治40年
備考:無料
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