松屋寺はその前身を西明寺といい、日出藩初代藩主木下延俊が、慶長12年(1607)に祖母の朝日の方と妻の加賀の法名から「康徳山松屋寺」と改称した。日出藩木下家の菩提寺である松屋寺の木下家墓所には、歴代藩主(13代・16代を除く)や親族、家臣の墓52基が林立している。その数、規模、壮麗さは県内随一といわれている。本堂の前庭には、江戸時代より日本一と名高い大蘇鉄がある。この大蘇鉄は、明暦2年(1656)、府内城主日根野吉明が没すると、日出藩2代藩主木下俊治が城番を命じられ、翌3年の交代帰城の際、日出藩に持ち帰り植えたといわれている。蘇鉄は樹齢約650年ともいわれ、高さ6.4m、株元の周囲4.5m、枝の広がりは東に4m、西に6m、南に5m、北に5mの巨樹であり、雌樹で十数本の枝が株元から分岐している。国指定の天然記念物にもなっている。松屋寺の中庭には、日本名園の一つに数えられている雪舟の庭がある。これは、雪舟が大分の万寿寺での修行時代に、松屋寺に滞在し、この庭を造成したものである。
大分県速見郡日出町佐尾
(1)暘谷駅から徒歩で
その他:その他:300円
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