加賀山中温泉
石川県加賀市山中温泉
『奥の細道』にも登場する山中温泉。芭蕉は八泊九日という異例の長逗留を山中で果たした。芭蕉をこれほどまでに惹きつけたのは「山中や菊はたおらじ湯のにほい」と詠わしめたように、薬草(菊)を必要としないほど病や疲れに効く湯であったのか、芭蕉が手をたたいて喜んだという奇岩景勝がおよそ1キロにわたり続く鶴仙渓と呼ばれる絶景だったのか。温泉街中心部には、工芸品を扱う土産物屋やギャラリー、造り酒屋や和菓子の老舗などが軒を連ねるゆげ街道があり、多くの人で賑わう。また、伝統工芸山中漆器のふるさとでもあり、木地師の技が生み出すその木目の美しさは類を見ない。