今井町の町並み
一瞬,江戸の昔に踏み入れたかのような錯覚にとらわれてしまう,ここ今井町。約700戸のうち重要文化財9棟を含めて,じつに7割近くの民家が江戸時代の様式を保ち,近世の町並を整然と残しているのである。天文年間(1532〜55)本願寺の一向宗,今井兵部が開いた称念寺を中心につくられた寺内町,東西600m,南北310mの周囲に堀や壁をめぐらせ自治都市として栄えた町である。織田信長と一向宗徒との争いでも被害をうけず,それ以後商業の町として“大和の金は今井に7分”“金の虫干し玄関まで”といわれるほどに繁栄。いまは静かな住宅地域だが連子や出格子,駒つなぎなどはその面影を見ることができる。