熊野の清水
千葉県長生郡長南町佐坪2386
長南町は,室町時代には,武家の守護神として崇められた鶴岡八幡宮の所領でもあり『鶴岡事書日記』によれば,この地は同社の定めた湯治場で,付近の集落は当時「湯谷」と呼ばれ,名水名の由来となっている。旧街道沿いに湧き出す清水も,人々が飲用するなど何らかの形で利用されたといわれている。神社境内に,大師の座像が祭られる湧水の別名は「弘法の霊泉」。樹木に囲まれた丘の麓に湧き出した水は,樋を伝って周囲約10mほどの池に流れ落ち,一宮川に合流して,太平洋に注ぐ。水質検査で大腸菌が検出されたため,煮沸してから飲用したほうがいい。日本名水百選。