子安地蔵
奈良県宇陀郡曽爾村長野
称名寺の地蔵石仏で、時代も古くその様式も変わっています。地元では子安さんと呼ばれていますが、大きい岩に刻みつけた地蔵で、像高127cmの立像で、見事な線彫蓮花座に立っています。舟型にほりくぼめられた中に、円光の地蔵を薄肉で表し、錫杖は短いのが古式。左手はすっと左につきだして宝珠を捻じています。衣丈の表現もしっかりしていて、刻銘はありませんが室町時代以降の作になることが推定されます。安産に霊験あらたな地蔵といわれており、また、子供の夜泣きが1週間の祈願で治ったので全知全能の地蔵尊として信仰されています。