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木津屋本店

木津屋本店

岩手県盛岡市南大通2-3-20

この建物は,棟札(むなふだ)より1834年(天保5年)に建築されたことがわかっており,松材を主に用いた土蔵造りの商家店舗兼住宅です。この付近は惣門(そうもん)といわれ,江戸時代は城下町の南の玄関口として,奥州道中(おうしゅうどうちゅう)(街道)沿いに盛岡の代表的な商人が店を構え,蔵が建ち並び,活気のある様相を呈していました。この建物は,その当時の商家の面影を残す数少ない町家(まちや)の一つであり,現在も会社の事務所として使用されています。建物は,二方向が道路に接しており,南側道路に店舗が,西側道路には住居の出入口が面し,それから入ると通り土間があり,床上2列の部屋形式の町屋となっています。店舗には独立した土間(客溜り)があり,店側と住居側と区別があるのが特徴です。西側の通り土間と1列の部屋は吹抜けとなり,天井高く小屋顕しで,2列目の部屋は2階建であるので,2階の部屋より吹抜けの通り土間が見えるように空間構成されています。木造2階建で,屋根は鉄板瓦棒葺き(瓦棒は三角形),下家その他は桟瓦葺,外壁は木造軸組の外部仕上を上塀式に塗り上げられ,軒天井の垂木,野地板等の木部は全て漆喰押えで防火造りとなっています。店舗2階の道路側窓の木格子は,1メートル単位ぐらいに内部から取り外して非常時に避難できるようにしたり,また店舗と客溜りの境界には上げ下げの板戸が鴨居上におさめられるようになっていて,閉店になると板戸をおろして,客があれば小窓をあけて応接できるようになっています。2階への階段には,2階床面で板戸を水平にスライドさせ昇降できないようにしたり,地下室への出入り口には蓋をすれば砂が落ちるように工夫してあったり,防盗・防火・避難に注意が払われているのが随所に見られます。

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