慈眼院
大阪府泉佐野市日根野626
天武2年(673)、天武天皇の勅願寺として、覚豪阿闍梨によって創建された泉州で最も古い寺。天平年間(729〜749)、寺領に1千石が加えられ、聖武天皇の勅願寺となった。弘仁6年(834)からの2年間には、宗祖弘法大師により、多宝塔、金堂の造営など一山が整備された。文和2年(1353)、南北朝の戦火で炎上した後、後村上・後亀山の両帝の勅命で再興。天正13年(1585)には豊臣秀吉の兵火により一山のほとんどが炎上したが、慶長7年(1602)に豊臣秀頼が再興。奥之坊・山之坊・明王院・戒躰院・稲之坊・中之坊(現・慈眼院)ほか諸建造物が再建された。境内にある多宝塔は鎌倉時代に建立されたもので、3間2層、全高10メートル余り。我が国最小の優美な塔として国宝に指定されている。鎌倉時代の金堂は平面方3間、屋根・単層本瓦葺きで国指定重要文化財。